2025年夏からGoogle検索に追加された「AIモード」。
Geminiを活用した高度な要約や対話型検索を可能にする一方で、「位置が邪魔」「誤タップしてしまう」「オフにできない」といった不満の声も目立ちます。
本記事では、AIモードの仕組みや表示場所、ユーザーが感じるデメリットを整理するとともに、Pixel端末での設定変更やブラウザ拡張機能による非表示方法、さらにはDuckDuckGoやBrave Searchといった代替検索エンジンまで、現実的な回避策を詳しく解説します。
「便利だけど使いづらい」「自分の環境には合わない」と感じる方にとって、検索体験を快適に保つためのヒントになる内容です。
AIモードの今後の展開や影響も含めて、一緒に確認していきましょう。
Google検索に追加されたAIモードとは?
まずは「AIモード」とは何かを押さえておきましょう。
Google検索におけるAIモードは、Geminiを活用したAIによる要約や対話型検索を組み込んだ新機能です。
従来の検索タブに加わり、AIが一歩先の答えを提示してくれるのが特徴です。
AIモードボタンが表示される位置
AIモードボタンは、検索結果のUIに直接組み込まれています。
主な場所は以下の2つです。
表示場所 | 説明 |
---|---|
検索結果タブ | 「すべて」「画像」などと並ぶ最上段の左端に「AIモード」が追加 |
検索バー内 | Pixel LauncherやGoogle検索ウィジェットにAIアイコンが常駐 |
つまり、検索を始める最初のタップ位置にAIモードが組み込まれているため、誰でも目に入るようになっています。
対象ユーザーと提供開始時期
AIモードはまず米国でSearch Labsを通じてテスト運用され、2025年5月から順次ロールアウトが開始されました。
日本語UIでは2025年9月以降、一部アカウントで利用可能になっています。
対象はGoogleアカウントを持つ一般ユーザーで、モバイル・PCともに利用できるケースが確認されています。
ただし、アカウントや地域によっては表示されないこともある点に注意が必要です。
ユーザーが「邪魔」と感じる理由
便利さを打ち出すAIモードですが、ユーザーの間では「邪魔だ」との声も目立ちます。
どのような不満があるのか、具体的に見ていきましょう。
誤タップや画面占有の問題
検索タブの左端に追加された結果、無意識にAIモードを押してしまう人がいます。
特にモバイルでは小さな画面にタブが並ぶため、誤タップのリスクが高まります。
不満点 | 具体例 |
---|---|
誤タップ | 「すべて」を押したつもりがAIモードに切り替わる |
画面占有 | AI要約が1行分を占有し、従来の検索結果が押し下げられる |
検索効率を落とす要因になっている、と感じる人が多いのです。
オフ設定ができない不便さ
現在、Google公式の設定ではAIモードを完全に非表示にする方法が用意されていません。
そのため「邪魔だと思っても消せない」というストレスにつながっています。
UIを自分でコントロールできない点が大きな不満材料です。
ウェブサイト運営者への影響
AIモードでは概要をAIが直接答えてしまうため、外部サイトへのクリックが減る懸念もあります。
特にメディアやブログを運営する人にとっては、アクセス減少が死活問題になり得ます。
「読者がAI要約だけで満足してしまい、記事を訪れなくなる」ことが最大のリスクです。
AIモードを使うメリットとは
「邪魔だ」との声がある一方で、AIモードには便利な側面もあります。
ここではユーザーにとってのメリットを整理してみましょう。
Geminiによる多モーダル検索
Geminiを活用したAIモードは、テキストだけでなく画像・動画・音声を含む複合的な検索に対応しています。
例えば、写真をアップロードして「この料理の名前は?」と尋ねたり、動画の一部を引用して「ここで紹介されている機能は何?」と質問できるのです。
検索方法 | AIモードの対応 |
---|---|
テキスト検索 | 従来通りの回答に加え、要約を生成 |
画像検索 | アップロード画像から対象を認識して説明 |
動画・音声 | 内容を解析し、関連情報を提示 |
従来の検索よりも一歩進んだ「調べ方」が可能になるのが最大の魅力です。
追質問で深掘りできる仕組み
AIモードでは、最初の回答に対してそのまま追加質問ができます。
「もっと詳しく」「別の角度から知りたい」といったリクエストに即応答してくれるのです。
まるで家庭教師と会話しているような感覚で情報を深掘りできる点は、従来検索にない体験です。
従来の検索結果に戻る方法
AIモードで生成された回答の下には「Web結果を表示」というリンクがあり、従来型の検索にワンタップで戻れます。
つまりAIモードは完全な置き換えではなく、既存検索の拡張機能として共存しているのです。
「一度試してみたけどやっぱり普通の検索で見たい」というニーズにも応えられる仕様です。
AIモードを無効化・非表示にする方法
それでも「使いたくない」「画面から消したい」という人も多いですよね。
ここでは現状とり得る回避策を具体的に紹介します。
Pixel端末での設定変更
PixelスマホではGoogleアプリの設定からAIモードをオフにできます。
手順 | 内容 |
---|---|
1 | Googleアプリを開く |
2 | 「Customize Pixel Search Box」を選択 |
3 | AI Modeトグルをオフにする |
Pixelユーザーなら公式UIから無効化できるのが一番シンプルです。
Search Labsをオフにする
https://labs.google.com/search にアクセスし、[AIによる概要など]をオフにする方法です。
完全には無効化できませんが、AIモードの表示頻度を下げることができます。
ブラウザ拡張機能の活用
PCではChromeやFirefoxの拡張機能でAIモードを隠せます。
拡張機能名 | 特徴 |
---|---|
Bye Bye, Google AI | AIタブやカードを非表示にできる(英語UI対応) |
Hide Google AI Overviews | AI要約をブロックし通常検索のみ表示 |
ブラウザレベルで制御できるので、Pixel以外のユーザーには有効な手段です。
アカウントやブラウザを切り替える方法
シークレットモードや別アカウントを使うとAIモードが表示されないケースもあります。
ただしこれは恒久的な解決策ではなく、将来的には反映される可能性が高いでしょう。
一時的な回避策と割り切って利用するのが無難です。
代替検索エンジンや回避策
「Google検索のAIモード自体を避けたい」という場合、検索エンジンを切り替えるのも一つの手です。
ここでは代表的な代替手段を紹介します。
DuckDuckGoやBrave Searchへの切り替え
プライバシーを重視する人に人気のDuckDuckGoやBrave Searchでは、AIによる要約を強制されることはありません。
従来型の検索結果をシンプルに利用できるのが大きなメリットです。
検索エンジン | 特徴 |
---|---|
DuckDuckGo | トラッキングを行わず、広告も控えめ |
Brave Search | 独自インデックスを持ち、AI要約は任意で利用可能 |
Googleに依存しない選択肢を持っておくことで、検索体験の幅を広げられます。
Firefox拡張によるGoogle AIブロック
Google検索を使い続けたい人向けに、FirefoxではAI要約をブロックする拡張機能が配布されています。
Googleドメインに限定してAI要約を非表示化できるため、通常検索と同じ感覚で使えるのです。
ただし非公式の拡張なので、動作が不安定になる可能性がある点は注意しましょう。
今後の見通しと影響
AIモードはまだ試験的な要素もありますが、Googleは今後さらに標準化を進めると見られています。
ユーザー体験だけでなく、ウェブ業界全体に大きなインパクトを与える可能性があります。
Googleが標準化を進める可能性
現状は切り替え可能ですが、Googleは「AIモードをデフォルト化する検討もある」と報じられています。
もし実現すれば、従来の検索はサブメニュー扱いになる可能性があります。
検索の基本体験が根本から変わる転換点になるかもしれません。
出版社やサイト運営者への懸念
AIモードによってクリック流入が減少するとの懸念は強まっています。
実際に米国では、出版社がGoogleに対して「著作権侵害や流入減少の原因」として訴訟を起こしています。
懸念点 | 影響 |
---|---|
クリック流入減 | AI概要で答えが完結し、記事を読まれなくなる |
著作権問題 | AIによる要約がオリジナル記事の価値を損なう恐れ |
情報発信者にとっては、収益や知名度に直結する深刻な問題です。
ユーザー向けUI改善の期待
Googleもユーザーの不満を把握しており、今後は設定項目の追加やUI調整が進むと見られます。
完全な非表示オプションが用意されるかは未知数ですが、誤タップ防止などは改善される可能性が高いでしょう。
ユーザーの声が反映されるかどうかが今後の鍵になります。
まとめと現実的な対応策
ここまでAIモードの仕組み、メリット・デメリット、そして回避策を見てきました。
最後にポイントを整理し、現時点でできる現実的な対応を確認しておきましょう。
現時点で選べる3つの回避方法
AIモードが邪魔だと感じる場合、ユーザーが取れる選択肢は大きく分けて3つです。
方法 | 概要 |
---|---|
設定で隠す | Pixel端末ならGoogleアプリの設定からトグルをオフ |
拡張機能でブロック | ChromeやFirefoxの拡張でAI要約を非表示化 |
別の検索を使う | DuckDuckGoやBrave Searchに切り替える |
自分の使い方に合った方法を選ぶのが最も現実的な対策です。
今後のアップデートに備えて
GoogleはAIモードを標準化する可能性を示唆しており、今後の検索体験は大きく変わるかもしれません。
一方で、ユーザーの不満や出版社からの声を受け、UI改善や設定追加が行われる可能性も十分あります。
今後のアップデートに柔軟に対応できるよう、情報を追い続けることが重要です。
AIモードを便利と感じるか、邪魔と感じるかは人それぞれです。
大切なのは、自分にとって快適な検索環境を選び取ること。
そのために設定やツールを上手に使い分けながら、今後の動向を注視していきましょう。