TikTokで“Instagramのノートに既読が付くようになる”という内容の動画が爆発的に拡散し、「え、それって足跡が付くってこと？」「ノートもストーリーズと同じでバレるようになるの？」といった戸惑いや不安の声がSNS上で急増しています。特にZ世代を中心に、ノートを「誰に見られたか分からない安心な一言投稿」として活用していたユーザーにとって、この話題はかなり衝撃的だったようです。
しかし、結論からお伝えすると、現時点（2025年9月8日）においてInstagramのノート機能には既読表示や閲覧者リスト（いわゆる足跡）は存在していません。この件に関してMeta（Instagram運営元）からの公式発表も一切なく、既存の仕様上も、閲覧者が誰かを投稿者が知る手段はありません。
本記事では、この“既読機能追加”というウワサの背景にある誤解や混同されやすいポイント、そして実際のノート機能の使い方までを丁寧に解説していきます。混乱の原因を明らかにしつつ、読者の皆さんが安心してInstagramを使えるよう、正確な情報をお届けします。
Instagram「ノート」とは？おさらい
DM画面上部に最大60文字の短文や音楽を24時間限定で表示できる“つぶやき”機能。投稿者が一言メッセージを共有したいときや、ちょっとした近況報告をしたいときに最適です。ストーリーズのように画像や動画を必要とせず、文字ベースでサクッと発信できるのが魅力です。また、通知は飛ばないため、受け手にプレッシャーを与えることなく自然に読んでもらえる点も好まれています。
2025年6月以降は背景色やループ動画の設定も可能となり、従来の文字だけの投稿に比べてビジュアル的にも目を引く工夫ができるようになりました。これにより、宣伝やキャンペーンのお知らせなどにも使いやすくなり、企業アカウントやクリエイターの活用例も増えています。
- 足跡・既読表示は実装されていない ― ストーリーズのように誰が閲覧したかが分かる機能とは異なり、ノートでは閲覧情報が投稿者に一切通知されません。そのため、閲覧者は気軽にノートをチェックすることができ、投稿者側も「読まれているかどうか」に過度に気を取られず、ストレスなく運用できます。
ノートに既読が付くというウワサを検証
公式ヘルプに記載なし
Meta公式ヘルプセンターの既読設定ページでは、既読機能の対象が「チャット（DM）のみ」であることが明示されており、ノート機能に関する記述は一切見当たりません。英語版・日本語版ともに詳細を確認しても、「ノート」という単語すら出てこないことから、Meta社としてもノートは既読機能とは完全に切り離された設計であることが伺えます。さらに、ユーザーからの問い合わせに対する公式サポートの回答も、DM以外に既読機能は存在しないというもので一貫しています。
国内外の最新解説記事でも「既読なし」と明言
2025年8月〜9月にかけて、複数のInstagram解説メディアやテック系ニュースサイトがノート機能の仕様を取り上げており、そのすべてが「ノート閲覧は投稿者に通知されない」「既読機能は搭載されていない」と明確に記述しています。特に、海外の大手メディアThe VergeやTechCrunch、日本国内ではITmediaやAppBankなども同様の説明をしており、ウワサとは裏腹にノートには既読が付かないという共通認識が形成されています。
混同されやすい3つのポイント
| 勘違いの元 | 実際の仕様 | 補足 |
|---|---|---|
| DMの既読ON/OFF機能 | 2024年末からDMの読了確認はユーザー側で切替可能に | 通知設定に「Show Read Receipts」トグルが追加され、既読を表示するかどうかをユーザーが選べるようになりました。ただしこれはダイレクトメッセージに限った機能であり、ノートにはまったく影響しません。多くの人が「既読に関する変更＝ノートにも影響がある」と誤解しがちです。 |
| ストーリーズの足跡 | 閲覧者リストが残る | ストーリーズは投稿者が誰に見られたかを確認できる仕様です。一方で、ノートにはこのような閲覧者履歴は一切残らないため、誤って混同してしまうと「ノートにも足跡が残る」と誤認しやすくなります。 |
| テスト中と噂されるUI変更 | ノートの背景色・動画追加など | UIが華やかになったことで「仕様も大きく変わったのでは？」という印象を与えやすく、結果的に既読機能の追加と誤解されることがあります。実際には視覚表現が変わっただけで、既読や通知に関する仕様は一切変更されていません。 |
今後ノートに既読が付く可能性は？
Metaは機能テストを頻繁に行う企業であり、実際にDMやストーリーズといった既存機能でも段階的なA/Bテストを経て機能追加やUI改善を実施してきました。しかしながら、既読導入に関する公式発表は現時点（2025年9月）では皆無であり、ノートに対してもそのような動きは確認されていません。
ノートは「気軽な一言共有」をコンセプトにした設計がなされており、特に若年層ユーザーが“気軽につぶやける場所”として支持しています。そこに既読機能や足跡が導入されると、「読んだのに返事しない」といった新たなコミュニケーション負荷が発生し、ユーザーの心理的ハードルが格段に上がる懸念があります。
さらにMeta自身も、既読機能の有無をユーザー側で選択できる方針を他機能で導入してきた経緯があるため、仮にノートに既読が導入されるとしても、それはユーザー任意のオプションとしての実装にとどまる可能性が高いでしょう。現時点では、ノートに足跡を残すような仕様変更がなされるメリットは乏しく、当面はこれまで通り“読まれてもわからない安心設計”が継続されると見られます。
ノートを安全＆快適に使う3つのコツ
- 公開範囲を「親しい友達リスト」に絞る
ノートは全フォロワーに向けて公開することもできますが、内容によっては「親しい友達リスト」のみに絞ったほうがトラブル回避になります。たとえば、個人的な悩みやちょっとしたボヤキ、または限定クーポンの配布など、より親密な関係の相手にだけ届けたい内容の場合は、この設定を活用すると安心です。 - プロフィール固定リンクやキャンペーン告知に活用：24時間で消える手軽さが魅力
ノートはストーリーズと異なり、常にDM画面の最上部に表示されるため、リンク誘導やイベント告知に非常に有効です。プロフィール欄に固定リンクを設置したうえで、ノートで「詳細はプロフィールからチェック」と記載することで、ナチュラルな導線を作ることができます。広告っぽさを出さずに情報を拡散できるのもノートの魅力のひとつです。 - DMで深掘りを誘導：ノートで興味喚起→DMで詳細共有（DMは既読管理が可能）
ノートでは詳細を語りすぎず、あえて気になる一言だけを投稿することで、興味を持った相手からのDM返信を引き出すことができます。そこから先は1対1のクローズドなやり取りができ、しかもDMには既読機能があるため、相手の反応も確認できます。情報の一部をノートで、詳細はDMで――という分業スタイルが非常に効果的です。
まとめ
結論：ノートに既読は付かない。ウワサは誤情報
Instagramノートには現在、既読や足跡を通知するような機能は一切実装されておらず、公式にもそのような発表はありませんでした。つまり、現時点では「見てもバレない」という仕様に変わりはありません。
TikTok動画で広まった理由は、DM既読トグルの導入やストーリーズとの混同、さらには一部ユーザーに表示されたテスト中のUI変更など、複数の要素が重なって誤解が生まれたと考えられます。これらの変化を正確に把握せずに拡散された情報が、混乱を助長した形です。
公式発表がない限り、ノートは今後も“足跡の付かない気軽なメモ”として使える見込みです。Meta社の過去の運営方針から見ても、既読機能が導入されたとしてもユーザーがON/OFFを選択できる仕様に留まる可能性が高く、全面的な足跡化は現実的ではありません。
ノート機能はあくまでライトなコミュニケーションツールであり、「伝える」「共有する」「ちょっとしたお知らせをする」といった軽やかな使い方に最適です。今後も安心して利用するためにも、SNS上の噂に振り回されず、最新アップデートが出た際はMetaの公式ブログやヘルプセンターで事実を確認する姿勢を大切にしましょう。
